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論文名 アルツハイマー病(Alzheimer's Disease)患者の単語再認課題における虚再認の検討
論文言語 J
著者名 村田 翔太郎1), 佐藤 厚2), 佐藤 卓也2), 今村 徹1)3)
所属 1)新潟医療福祉大学医療技術学部言語聴覚学科
2)新潟リハビリテーション病院リハビリテーション部言語聴覚科
3)新潟リハビリテーション病院リハビリテーション部神経内科
発行 神経心理学:24(2),170─176,2008
受付 2006年12月20日
受理 2008年3月11日
要旨 実際には経験してない事象に対して,誤って経験したと判断してしまうことを虚再認という.本研究ではアルツハイマー病(AD)患者189症例を対象として,Alzheimer's Disease Assessment Scale(ADAS)の単語再認課題における虚再認について,他の認知機能障害との関係を検討した.虚再認個数とMMSE得点,ADASの見当識,単語再認との間に有意な偏回帰係数が得られ,単語再認課題の減点が少ないほど虚再認個数が有意に多く,見当識課題の減点が多いほど虚再認個数が有意に多かった.ADASの単語再認課題の減点が少ないほど虚再認個数が有意に多かったのは,target語,distracter語に関係なく語に対する一般的な既知感をもとに「あった」と答え続けてしまう患者が一定の割合で存在していたためである可能性がある.一方,虚再認個数と見当識課題の減点との有意な関係は,当惑作話様の反応が共通の基盤となって生じている可能性がある.
Keywords 虚再認, 単語再認課題, ADAS, アルツハイマー病, 当惑作話
別刷請求先 〒950-3198 新潟市島見町1398番地 新潟医療福祉大学医療技術学部言語聴覚学科 今村 徹 imamura@nuhw.ac.jp


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