[第26巻第1号目次へ] Japanese/English

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論文名	意図の抗争（conflict of intentions）と前頭葉内側面
論文言語	J
著者名	西川　隆
所属	大阪府立大学総合リハビリテーション学科
発行	神経心理学：26（1），35─46，2010
受付
受理
要旨	「意図の抗争」とは脳梁離断によって患者自身が意図した全身の行動を別の意図が生起するために遂行できなくなるという症候である．この症候は拮抗失行の部分症候であるが両手間抗争とは独立して出現しうる．意図の抗争を呈した自験3症例を紹介し，その病態機制において補足運動野を中心とする前頭葉内側面が果たしている役割を論じた．両側の補足運動野が保存されて脳梁のみが離断された場合，機能的再編の過程で各半球内の反応運動系と抑制系は独自の均衡状態を形成し，個別の意図が自覚されるようになると考えられる．前頭葉内側面は不随意的反応を抑制できるが故に，行為の自己帰属性，主体性，能動性の感覚を生起させうるのではないか．
Keywords	意図の抗争, 拮抗失行, 脳梁, 補足運動野, 主体性
別刷請求先	〒583-8555　羽曳野市はびきの3-7-30　大阪府立大学総合リハビリテーション学部　西川　隆 nisikawa@rehab.osakafu-u.ac.jp