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論文名 Social pain(妬み)と前部帯状回
論文言語 J
著者名 高橋 英彦
所属 独立行政法人放射線医学総合研究所分子イメージング研究センター分子神経イメージンググループ
発行 神経心理学:26(1),54─58,2010
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要旨 自己と他者の所有物の高低と自己と他者との関係性の遠近というパラメータを調節することで,妬みの強さを調節し,fMRI実験を行った.妬みの感情のもう一つの側面として,妬みの対象が不幸に見舞われると,私たちは他人の不幸は蜜の味ともいわれる非道徳な感情を抱くことがあり,この点についても併せて検討した.その結果,妬みと前部帯状回の背側部の活動が関係することがわかった.前部帯状回の背側部は身体的な痛みにも関わる部位で,社会的な痛みといえる妬みも同様な部位が賦活されたことは興味深い.また,妬みの対象に不幸が起こると,報酬系である腹側線条体の賦活を認め,文字通り他人の不幸は蜜の味であるかのような反応を認めた.
Keywords fMRI, 妬み, 痛み, 前部帯状回, 線条体
別刷請求先 〒263-8555 千葉県千葉市稲毛区穴川4-9-1 独立行政法人放射線医学総合研究所分子イメージング研究センター分子神経イメージンググループ 高橋英彦 hidehiko@nirs.go.jp


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