論文名 |
ウィリアムズ症候群と脆弱X症候群:社会的認知と遺伝的要因 |
論文言語 |
J |
著者名 |
長峯 正典1), 三村 將2), Allan L. Reiss3), ヘイフト 典子3) |
所属 |
1)自衛隊福岡病院精神科
2)昭和大学医学部精神医学教室
3)スタンフォード大学医学部脳科学研究所 |
発行 |
神経心理学:26(2),104─117,2010 |
受付 |
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受理 |
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要旨 |
「社会的認知」にアプローチするひとつの有力な方法として,この問題を中核とする発達障害を対象に,認知神経科学的アプローチを中心に包括的に検討する手法が挙げられる.ウィリアムズ症候群は,心血管奇形や精神発達遅滞等の症状を呈すると同時に,過度な社交性を呈することで近年注目を集めている隣接遺伝子症候群である.一方,脆弱X症候群は発達障害を呈すると同時に,自閉症と類似の症状を呈することで近年注目されており,やはり遺伝的要因の特定されている疾患である.発達障害の社会的認知の問題をターゲットとした臨床研究では疾患の不均質性がしばしば問題となるが,原因遺伝子が明確となっているウィリアムズ症候群や脆弱X症候群を研究することにより,より均質な対象の研究が可能となる.本稿では社交性という観点において対照的な症状を呈するこの両疾患について概観し,社会的認知の神経基盤について現時点での知見を総括した. |
Keywords |
社会的認知, 脳画像, 発達障害, ウィリアムズ症候群, 脆弱X症候群 |
別刷請求先 |
〒816-0826 福岡県春日市小倉東1-61 自衛隊福岡病院精神科 長峯正典
nagaminemasanori@gmail.com |