[第26巻第2号目次へ] Japanese/English

Full Text of this Article in Japanese PDF (494K)

論文名	社会脳研究と自閉症：マインドブラインドネス，壊れた鏡，視線忌避
論文言語	J
著者名	千住　淳
所属	Centre for Brain and Cognitive Development, Birkbeck, University of London
発行	神経心理学：26（2），118─127，2010
受付
受理
要旨	本稿では，社会脳研究を基盤として呈示された自閉症の障害の認知的，神経科学的な基盤に関する理論のうち，マインドブラインドネス仮説，壊れた鏡仮説および視線忌避仮説の三つについて，それぞれの理論的背景及び自閉症研究からの知見を概観した．これらの研究から得られた知見は，自閉症者における社会脳の障害は，社会的情報に対する自発的な注意の移動や社会的情報の処理に対する動機付けなど，日常場面で社会的認知を自発的・適応的に運用する能力の障害を基盤としている可能性を示唆している．
Keywords	自閉症, 社会的認知, 心の理論, 模倣, 視線処理
別刷請求先	Malet Street, London WC1E 7HX, UK　Centre for Brain and Cognitive Development, Birkbeck, University of London a.senju@bbk.ac.uk