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論文名 磁気刺激を用いてワーキングメモリを向上できるか
論文言語 J
著者名 三村 將
所属 昭和大学医学部精神医学教室
発行 神経心理学:26(2),151─157,2010
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要旨 反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)はもともとvirtual lesionを生じることで,実験的神経心理学的モデルを作り,認知機能の脳内ネットワークの解明に貢献してきた.さらに近年では,rTMSを用いて健常者の認知機能を促進したり,患者群の認知機能障害を改善しようとする試みが報告されてきている.ここではrTMSを用いてワーキングメモリを向上させる我々の試みを紹介した.右頭頂葉への5 Hz高頻度rTMSは選択的に空間性ワーキングメモリ課題の成績を改善できる可能性があると考えられた.このワーキングメモリに対する選択的な右頭頂葉rTMS効果は,左右半球の非対称性と前頭―頭頂ネットワークにより説明できるが,基本的にはrTMSは刺激部位の機能抑制を生じることで,全体として機能向上に作用する機序を持つと推測される.
Keywords ワーキングメモリ, 磁気刺激, 近赤外線スペクトロスコピー, 前頭―頭頂ネットワーク, 機能促進
別刷請求先 〒157-8577 東京都世田谷区北烏山6-11-11 三村 將 mimura@med.showa-u.ac.jp


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