[第26巻第3号目次へ] Japanese/English

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論文名	左半球広汎病変により混合型超皮質性失語を呈した1例
論文言語	J
著者名	浦野　雅世1）, 穴水　幸子2）, 三村　將3）
所属	1）横浜市立脳血管医療センターリハビリテーション部 2）慶應義塾大学精神神経科 3）昭和大学精神神経科
発行	神経心理学：26（3），204─209，2010
受付	2008年12月22日
受理	2009年7月6日
要旨	心原性脳塞栓に起因する左半球広汎病変により混合型超皮質性失語を呈した61歳の右利き男性を報告した．自発話は著明に障害され，しばしば反響言語が観察された．聴覚的理解，音読，書字の障害も極めて重度であった．しかし，単語や文の復唱は可能で，最大4モーラまでの非語復唱も可能であった．頭部MRI上，病変は左中大脳動脈領域全域から一部前大脳動脈領域，後大脳動脈領域にまで及んでいた．したがって，本例の徴候はGeschwind（1968）の提唱した前方と後方の言語領域の解剖学的孤立という観点で説明することは困難であり，保存されている右半球が復唱機能の残存に重要であったと考えられる．
Keywords	混合型超皮質性失語, 反響言語, 復唱, 右半球
別刷請求先	〒235-0012　横浜市磯子区滝頭1-2-1　横浜市立脳血管医療センターリハビリテーション部　浦野雅世 masayo@ad.cyberhome.ne.jp