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論文名 |
Functional retrograde amnesiaの1例 |
論文言語 |
J |
著者名 |
朴 白順, 大東 祥孝 |
所属 |
京都大学大学院人間・環境学研究科 |
発行 |
神経心理学:26(3),219─230,2010 |
受付 |
2009年6月10日 |
受理 |
2009年10月19日 |
要旨 |
Autonoetic consciousness(AC)はエピソード記憶における重要概念の一つであり,健忘例においてはACの障害が本質的問題の一つであるとされている.このことから機能的逆向性健忘(FRA)例においても自伝的記憶の想起困難にACの障害が関与している可能性が想定されるが,記憶情報の想起そのものが困難であることから検討例が少ない.本稿では発症直後から自己のアイデンティティの一部と意味記憶は保持されていたが,全人生におよぶ自伝的記憶の想起困難を示したFRAの1例において,その記憶特性の検討のため発症前の自伝的記憶への鮮明度評定課題を施行した.結果,全人生期間におよぶ実際の自伝的記憶の部分的想起がなされ,その鮮明度評定にて健常群と差をみとめなかった.このことから,少なくとも発症前の自伝的記憶におけるACの部分的保持の可能性が示唆された. |
Keywords |
autonoetic consciousness, 機能的逆向性健忘, 自伝的記憶, エピソード記憶 |
別刷請求先 |
〒606-8501 京都市左京区吉田本町 京都大学国際交流センター大東研究室 朴 白順
park.p@hs7.ecs.kyoto-u.ac.jp |
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