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論文名	意志伝達装置の使用により文法障害・音韻性の誤りがみられた筋萎縮性側索硬化症の1例
論文言語	J
著者名	田村　至1）4）, 大澤　朋史2）, 濱田　晋輔4）, 坪井　俊之3）, 田代　邦雄4）
所属	1）北海道医療大学心理科学部言語聴覚療法学科 2）網走脳神経外科リハビリテーション病院リハビリテーション科 3）同　脳神経外科 4）北祐会神経内科病院
発行	神経心理学：26（3），242─249，2010
受付	2009年12月8日
受理	2010年2月4日
要旨	重度の運動障害のある筋萎縮性側索硬化症（ALS）の1例において，意志伝達装置「伝の心」を用いて検討した高次脳機能障害を報告した．症例は65歳，女性，右利き．5年前にALSと診断され，2年前に「伝の心」を導入．知的機能，記憶など高次脳機能全般の軽度低下および病識欠如を呈した．短文表出では，助詞の脱落，助詞充填課題および助詞の正誤による文法的正誤判断課題の低下などの文法障害が認められた．また単語水準で音韻性の誤り（置換）がみられた．今回，本症例においてみられた音韻性錯書様の表出障害，および仮名文字障害とは独立した文法障害は，運動障害とは無関係に生じている可能性が示唆された．
Keywords	筋萎縮性側索硬化症, 文法障害, 音韻性の誤り, 意志伝達装置「伝の心」
別刷請求先	〒002-8072　札幌市北区あいの里2条5丁目　北海道医療大学心理科学部言語聴覚療法学科　田村　至 tamurait@hoku-iryo-u.ac.jp