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論文名 変性性失語と脳血管性失語
論文言語 J
著者名 松田 実
所属 滋賀県立成人病センター老年内科
発行 神経心理学:26(4),264─271,2010
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要旨 認知症性変性疾患が緩徐な発症と経過を示し,好発部位はあるとはいえ徐々に瀰漫性病変をきたすのに対して,脳血管障害は突然発症で局所に破壊的病変をきたすが,他の部位は健常に保たれる.こうした病理過程の時間的空間的差異が,両者にみられる失語症状を症候学的に異なるものにしている可能性について論じた.進行性非流暢性失語とBroca失語,logopenic progressive aphasiaと伝導失語は,症候学的に異なる失語症候群である.脳血管性失語にしか報告のない再帰性発話を例にとり,失語症状をより動的に捉える視点が必要であることを強調した.さらに,進行性失語の症候学では,症例ごとの症候分析を詳細に行うという伝統的な神経心理学的手法が重要であることを指摘した.
Keywords 変性性失語, 進行性失語, 脳血管性失語, 症候学, 再帰性発話
別刷請求先 〒524-8524 滋賀県守山市守山五丁目4番30号 滋賀県立成人病センター老年内科 松田 実 color-m@minos.ocn.ne.jp


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