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論文名 進行性非流暢性失語症
論文言語 J
著者名 大槻 美佳
所属 北海道医療大学心理科学部
発行 神経心理学:26(4),272─282,2010
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要旨 進行性非流暢性失語(PNFA)が,様々の症状・多彩な病理所見を呈する不均一な症候群とされてきた背景には,‘非流暢性’失語の定義の曖昧さがある.近年,非流暢性失語の特徴の中で,失構音(=発語失行)をメルクマールにすることの妥当性が論じられている.“非流暢性”を含む失語症候群の定義を明確にして,進行性失語を分類するとPNFAの輪郭が明確になる.PNFAは少くとも,ブローカ失語または超皮質性運動失語を呈する型,失構音と前部弁蓋部症候群を呈する型,失構音のみ緩徐に進行する型に分類でき,それぞれ特異的な所見や経過を呈する.従って,PNFAは‘非流暢性失語’の名のもとに一括せずに,失語型の詳細,その他の随伴症状(口部顔面失行,シラリア,嚥下障害など)を詳細に検討することが重要である.
Keywords 進行性非流暢性失語, 失構音(発語失行), 前部弁蓋部症候群, 純粋語唖, 前頭側頭葉萎縮症
別刷請求先 〒002-8070 北海道札幌市北区あいの里2-5 北海道医療大学心理科学部 大槻美佳 miotsuki@hoku-iryo-u.ac.jp


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