[第27巻第1号目次へ] Japanese/English

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論文名	身体的自己意識の認知神経科学―Blanke先生特別講演概括
論文言語	J
著者名	乾　敏郎1）, 柴田　寛1）, 小川　健二2）
所属	1）京都大学大学院情報学研究科 2）JST ERATO浅田共創知能システムプロジェクト
発行	神経心理学：27（1），19─25，2011
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要旨	本稿ではOlaf Blanke先生による特別講演の概要を紹介した．講演では，日常的な身体内の経験に関する身体的自己意識について，神経心理学とニューロイメージングにもとづく研究が取り上げられた．具体的には（1）脳損傷後の多感覚統合障害に起因する自己位置と一人称視点についての病理学的状態（たとえば体外離脱体験や自己像幻視），（2）健常者を対象とした視覚と触覚の不一致を用いた身体的な自己位置と一人称視点の実験的操作すなわちバーチャルリアリティおよびニューロイメージングデータ，について論じられた．以上の神経心理学とニューロイメージングのデータは，側頭-頭頂皮質，有線外皮質，前頭前野内側部の3つの脳領域の活動が自己位置と一人称視点に反映されること，アウェアネスの中心である意識的体験は身体という境界のなかに存在していることを示唆する．
Keywords	身体的自己, 幽体離脱, 自己像幻視, ゴムの手の錯覚, バーチャルリアリティ
別刷請求先	〒606-8501　京都市左京区吉田本町　京都大学大学院情報学研究科　乾　敏郎 inui@i.kyoto-u.ac.jp