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論文名 頭部外傷の受傷後早期画像診断の意義・限界とピットフォール
論文言語 J
著者名 中村 弘1), 宮田 昭宏1), 古口 徳雄2), 佐藤 幸子3), 小林 繁樹1)
所属 1)千葉県救急医療センター脳神経外科
2)同 神経内科
3)同 言語聴覚士
発行 神経心理学:27(2),99─109,2011
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要旨 CTは中等症以上の診断に必須であり,MRIは広範性(びまん性)脳損傷や脳深部病変の診断に有用である.慢性期に初めて急性期画像をみる際には急性期側の視点を理解しておく必要がある.CTとMRIは頭部・脳の肉眼的形態変化・病理学的変化を可視化するが限界もある.頭部外傷受傷後早期には,画像上の異常所見を主に肉眼的病理変化に対応させて,頭部外傷分類による診断を行い頭蓋内の病態生理を推測する.そして,頭部外傷分類の背景には脳損傷発生機序に関する有力な仮説がある.判断の基になるこのような枠組みから画像診断の限界とピットフォールが生まれる.外傷性脳損傷慢性期の患者へのアプローチから新たな知見が得られることを期待したい.
Keywords 頭部外傷, 広範性脳損傷, 急性期, 画像診断, ピットフォール
別刷請求先 〒261-0012 千葉市美浜区磯辺3-32-1 千葉県救急医療センター医療局 中村 弘 nkmrh@sannet.ne.jp


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