[第27巻第2号目次へ] Japanese/English

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論文名	脳外傷による高次脳機能障害と心因性高次脳機能障害の特徴―神経心理検査の限界と発展によせて―
論文言語	J
著者名	益澤　秀明
所属	河北リハビリテーション病院
発行	神経心理学：27（2），110─121，2011
受付
受理
要旨	びまん性軸索損傷は頭部直撃の瞬間から意識喪失し，軽症脳外傷から植物状態まで量的に連続する病態であり，脳外傷後後遺症に大きく関与する器質的脳損傷である．小脳失調，ときに痙性片麻痺を伴う．精神症状である“脳外傷による高次脳機能障害”では記憶障害・遂行機能障害などの認知機能障害と易怒性などの情動障害が共通し，自己洞察性の低下が特徴的である．全般に経時的改善傾向が明らかである．軽度脳外傷や鞭打ち損傷後に出現しやすい心因反応では自己洞察性が逆に亢進する．経時的増悪傾向もみられる．神経心理検査は器質的脳損傷よりも心因反応で成績低下が目立つ．北米では妥当性試験で神経心理検査成績の信頼性を評価することが学会勧告されており，我が国でも発展的対応が望まれる．
Keywords	びまん性軸索損傷, 軽度脳外傷, 前頭葉症候群, 心因反応, 妥当性試験
別刷請求先	〒166-0013　東京都杉並区堀の内1-9-27　河北リハビリテーション病院　益澤秀明 masuzawa@kawakita.or.jp