学会誌

書誌情報

Full Text of this Article
in Japanese PDF (961K)
論文名 発達と変性―個体発達や発達障害を通じた認知症の理解―
論文言語 J
著者名 緑川 晶
所属 中央大学文学部
発行 神経心理学:27(2),143─152,2011
受付
受理
要旨 認知症の各種症状を発達的な視点から考察した.結果,症状を次の3つの視点から整理することが可能であった.一つは,視空間機能の障害を特徴とするposterior cortical atrophyの症状の進行の過程は,乳幼児で見られる視空間機能の発達の過程と逆の過程であり,Jacksonの言う「解体は発達の逆の過程である」に対応するものであった.もう一つは,意味性認知症で認められる認知特性や行動変容の特徴は,自閉症スペクトラムで見られる特徴をアナロジーとして理解可能であった.さらに,認知症の患者の中には発達障害の延長線上として理解可能な症例も存在することから,認知症の診断には発達障害の視点の導入も必要と思われた.
Keywords Posterior cortical atrophy, 意味性認知症, 自閉症スペクトラム
別刷請求先 〒192-0351 東京都八王子市東中野742-1 中央大学文学部 緑川 晶 green@tamacc.chuo-u.ac.jp


Copyright © 2002 日本神経心理学会 All rights reserved
http://www.neuropsychology.gr.jp/