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論文名 |
神経心理学研究の新しい可能性―デメンチアと危機認知能力― |
論文言語 |
J |
著者名 |
岩田 誠 |
所属 |
東京女子医科大学 |
発行 |
神経心理学:27(3),189─195,2011 |
受付 |
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受理 |
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要旨 |
東日本大震災において,首都圏では震度5強から震度5弱の地震が生じ,多くの健常者は強い恐怖を感じて避難行動をとった.また,その恐怖体験は,鮮明な記憶として残っている.しかし,デメンチア患者は,デメンチアが重症になるほど,恐怖反応を示さずに平然としており,また恐怖体験の記憶も残っていないことがわかった.これは,デメンチアの重症化と共に,危機認知能力が低下することを意味しており,災害時における介護者の取るべき行動を考える上で極めて重要な事実である.災害時の危機認知能力の評価を考えることは,神経心理学の新しい研究分野として重要となるであろうと思われる. |
Keywords |
デメンチア, 恐怖, 避難行動, 記憶 |
別刷請求先 |
〒162-8666 東京都新宿区河田町8-1 東京女子医科大学神経内科 岩田 誠 |
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