学会誌

書誌情報

Full Text of this Article
in Japanese PDF (541K)
論文名 認知症診療における神経心理学的検査
論文言語 J
著者名 武地 一
所属 京都大学大学院医学研究科加齢医学
発行 神経心理学:27(3),213─219,2011
受付
受理
要旨 認知症は記憶,遂行機能の低下などから職業的,社会的生活における機能障害を招く神経疾患であり,わが国では高齢化の進展に伴い,認知症患者の数が急速に増加している.認知症には神経変性を主因とするアルツハイマー型,レビー小体型,それに前頭側頭葉変性症などと脳血管障害により引き起こされる脳血管性認知症などがあり,これらは4大認知症とも呼ばれ,この4つで認知症の大部分を占める.認知症は,その名前の通り,認知機能障害を主体とする疾患であり,従来から,神経心理学的検査が,その診断や経過を追う指標として用いられてきた.1990年代ごろから頭部CT,MRI,SPECTなどの検査が幅広く用いられるようになり,脳の高次機能に迫る手段が増加してからは,その役割に変化が見られるものの,一定の重要性を持っており,近年の認知症患者,特に初期患者の受診増加に伴い,検査需要は増している.一方で,わが国では認知症診断における神経心理学的検査の比重が過小評価されている面がある.改めてその役割や意義について論じてみたい.
Keywords 認知症, 神経心理学的検査, アルツハイマー型認知症, レビー小体型認知症, 認知機能障害
別刷請求先 〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54 京都大学大学院医学研究科加齢医学 武地 一 takechi@kuhp.kyoto-u.ac.jp


Copyright © 2002 日本神経心理学会 All rights reserved
http://www.neuropsychology.gr.jp/