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論文名 無意味再帰性発話から無意味および実在語再帰性発話が混在した発話に移行した交叉性失語の1例
論文言語 J
著者名 中山 正1), 堂井 真理1), 工藤 由理2), 佐藤 豊2), 今村 徹3)
所属 1)総合リハビリテーションセンター・みどり病院リハビリテーション部言語聴覚療法科
2)同 リハビリテーション科
3)新潟医療福祉大学大学院保健学専攻言語聴覚学分野
発行 神経心理学:27(3),227─232,2011
受付 2007年12月5日
受理 2010年10月5日
要旨 再帰性発話が無意味型から無意味型と実在語型が混在した状態に移行した,脳出血による交叉性失語の症例を経験した.発話症状の経過において,無意味語の表出が稀にみられるのみの状態(発症2カ月)から,「なんでこ」「でんでこ」というprosodyに乏しい無意味再帰性発話の状態(発症3~4カ月)を経て,無意味再帰性発話と「だから」という実在語再帰性発話が混じりつつprosody豊かに表出される状態(発症5~10カ月)への移行が観察された.発症5カ月までのprosodyに乏しい無意味型の再帰性発話は主として残存した優位半球機能に由来し,それ以降の無意味型と実在語型の再帰性発話が混じりつつprosody豊かに表出された発語には,劣位半球機能の回復が関与している可能性が考えられた.
Keywords 交叉性失語, 無意味再帰性発話, 実在語再帰性発話, prosody, 機能回復
別刷請求先 〒950-0983 新潟市中央区神道寺2丁目5番1号 総合リハビリテーションセンター・みどり病院リハビリテーション部言語聴覚療法科 中山 正 happy-reha@midori-gr.jp


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