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論文名 意味記憶障害,物品使用障害を呈した変性性認知症例の検討
論文言語 J
著者名 近藤 正樹1), 小早川 睦貴2), 井堀 奈美3), 荒木 重夫4), 河村 満2)
所属 1)京都府立医科大学神経内科
2)昭和大学医学部神経内科
3)川崎協同病院リハビリテーション科
4)同 神経内科
発行 神経心理学:27(3),233─243,2011
受付 2009年5月11日
受理 2010年10月18日
要旨 意味記憶障害,物品使用障害を呈した変性性認知症例(61歳,右利き男性)を報告した.本症例の物品使用障害の背景を探る目的で,通常の行為検査,行為物品理解検査(パントマイムを見て物品を選択,物品の機能を聴いて物品を選択,行為の正誤判断),行為概念関連検査(物品セットの選択,物品―手の形の選択,物品―使用場所の選択)を行った.その結果,パントマイムの模倣が保たれていた以外は全て低下していた.本例において物品,物品使用行為の概念系が広範に障害されていることが示唆され,本例の物品使用障害は,物品および物品使用にかかわる行為概念系の破綻により生じたものと考えられた.
Keywords 物品使用障害, 呼称障害, 意味記憶, 行為概念系, 変性性認知症
別刷請求先 〒602-8566 京都府京都市上京区河原町通り広小路上る梶井町465 京都府立医科大学神経内科 近藤正樹 maskondo@koto.kpu-m.ac.jp


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