[第28巻第1号目次へ] Japanese/English

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論文名	視覚性認知障害
論文言語	J
著者名	鈴木　匡子
所属	山形大学大学院医学系研究科高次脳機能障害学
発行	神経心理学：28（1），23─28，2012
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要旨	大脳に入った視覚情報は側頭葉に向かう腹側経路と頭頂葉に向かう背側経路で処理される．腹側経路は形態・色などから対象を同定する際に働き，その障害として視覚性失認が生じる．視覚性失認は固定したものではなく，視覚性対象認知機能が不安定な状況で，言語など他の機能系の影響を受けて変動することがある．一方，不完全な視覚認知が，触覚など他の感覚入力による対象認知に干渉することもある．また，視覚性注意の障害も視覚性対象認知に影響を与える．このように｢ものを見て何か分かる｣という一見単純な認知機能の障害にも様々な機能系が関与している．状況によりダイナミックに変化する症状を詳細な質的観察を通して捉える必要がある．
Keywords	失認, 視覚性認知, 視覚性注意, 質感
別刷請求先	〒990-9585　山形県山形市飯田西2-2-2　山形大学大学院医学系研究科高次脳機能障害学　鈴木匡子 kyon@med.id.yamagata-u.ac.jp