論文名 |
系列物品使用障害のメカニズムの探求―注視行動分析による検討から― |
論文言語 |
J |
著者名 |
小田桐 匡1)2), 上田 敬太3), 村井 俊哉3), 大東 祥孝2), 船橋 新太郎2) |
所属 |
1)姫路獨協大学医療保健学部理学療法学科
2)京都大学大学院人間・環境学研究科共生人間学専攻認知行動科学講座
3)同 医学研究科脳病態生理学講座 |
発行 |
神経心理学:28(1),49─65,2012 |
受付 |
2010年10月20日 |
受理 |
2011年4月28日 |
要旨 |
系列物品使用行為に障害を呈した,脊髄小脳変性症患者(1例)に対し,障害メカニズムを明らかにする目的で,習慣的行為中の注視行動分析を行った.現在進行中の行為や直後の行為には関連しないが,それ以降の行為に関連する先行注視(Pelz & Canosa,2001)に着目し検討を行った.症例は有意に先行注視が低下し,課題に応じた先行注視の使い分けも認めなかった.先行注視の減少が系列物品使用障害のメカニズムの少なくとも一部に関与していることが考えられた.最後に,近年提起されている小脳の情報処理特性を踏まえた上で,今回の行動学的変化や神経心理学的特徴についての考察を行い,系列物品使用行為の脳内基盤における小脳の役割について解釈を試みた. |
Keywords |
観念性失行, 系列物品使用障害, 目と手の協応, 先行注視, 脊髄小脳変性症 |
別刷請求先 |
〒607-8175 京都府京都市山科区大宅山田町34 京都橘大学健康科学部 小田桐匡
masaoda@live.jp |