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論文名 |
神経心理学における意識と無意識 |
論文言語 |
J |
著者名 |
武田 克彦 |
所属 |
国際医療福祉大学三田病院神経内科 |
発行 |
神経心理学:28(2),104─112,2012 |
受付 |
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受理 |
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要旨 |
脳の損傷後,ある能力が保たれているのに,それを自分自身では気づいていないということがある.盲視は,有線領の障害を有する患者に主に強制的に選択させるなどの手法を用いると,残存する視覚機能が見出せることをさす.患者は課題に成功したのにもかかわらず,何度も「何も見なかった.ただ推定しただけだ.」と答えた.盲視とよく似た現象が体性感覚においても報告されている.体性感覚性消去現象を有する患者を対象とした脳機能マッピング研究からは,一次体性感覚野の賦活があっても病巣と反対側に与えられた刺激を意識にのぼらせるのには不十分であることが示されている.次に記憶障害を示す患者が運動技能の習得などには問題がないことについて触れた.この記憶障害患者が無意識に処理しているその仕方は,健常者と同じではないとする研究を紹介した.最後に,Sperryはセルフアウェアネスを右脳が持っているのなら,右脳に意識があるとしてよいと考えた.各脳に患者自身の顔写真をみせたところ右脳は自分の顔を認識することができ,右脳は左脳と同じような意識を持っているということを示した. |
Keywords |
アウェアネス, 盲視, 体性感覚性消去現象, 自己意識, 脳梁離断 |
別刷請求先 |
〒108-8329 港区三田1-4-3 国際医療福祉大学三田病院神経内科 武田克彦
k-takeda@iuhw.ac.jp |
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