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論文名 筋萎縮性側索硬化症における言語障害―書字機能の検討
論文言語 J
著者名 小森 規代1), 藤田 郁代2), 橋本 律夫3)
所属 1)国際医療福祉大学病院リハビリテーション室
2)国際医療福祉大学大学院
3)国際医療福祉大学病院神経内科
発行 神経心理学:28(3),215─222,2012
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要旨 ALS症例における言語機能障害の特徴を書字能力から分析し,脳病変部位との関係を検討した.対象は明らかな認知症を認めない初期ALS症例7名であった.書字能力について仮名単語書取テスト,漢字単語書取テストを実施した.意味処理能力については漢字の類義語判断テストを用いて評価した.脳病変部位については脳SPECT画像を用いて分析した.その結果,仮名失書は全例に認め,これには左前頭葉後部の機能低下が関係していると考えられた.漢字失書は類音的錯書が特徴的であり類義語判断テストの得点と高い相関を認めたことから意味処理能力の障害が背景にあると考えられ,これには両側側頭葉前方部の機能低下が関係すると考えられた.ALSにおける書字障害の特徴は脳病変の進展パタンを表すと考えられた.
Keywords 筋萎縮性側索硬化症, 仮名失書, 音韻―文字変換, 類音的錯書, 脳SPECT画像
別刷請求先 〒329-2763 栃木県那須塩原市井口537-3 国際医療福祉大学病院リハビリテーション室 小森規代 komori@iuhw.ac.jp


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