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論文名 |
人体観の変遷―脳の働きをめぐって― |
論文言語 |
J |
著者名 |
坂井 建雄 |
所属 |
順天堂大学医学部解剖学・生体構造科学 |
発行 |
神経心理学:29(1),22─34,2013 |
受付 |
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受理 |
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要旨 |
古代のガレノス説においては,動物精気を含む神経液が脳室の中に蓄えられ脳の機能を営み,また末梢神経を通して運ばれて随意運動と感覚の機能を営むと考えられた.16世紀のヴェサリウスから人体解剖が本格的に始まり,17世紀のハーヴィーは血液循環論によりガレノス説の根幹部分を否定した.19世紀に入って医療の変容とともに,脳の機能異常を扱う精神医学と脳の病変を扱う臨床神経学が確立した.19世紀末には脳においてニューロンが見いだされ,神経回路に焦点を当てた神経生理学が発展した.20世紀末には画像診断技術の発展により,生きている人間の脳の病変や脳の機能状態を可視化することができるようになった. |
Keywords |
人体解剖, ガレノス説, ヴェサリウス, ニューロン, 画像診断 |
別刷請求先 |
〒113-8421 東京都文京区本郷2-1-1 順天堂大学医学部解剖学・生体構造科学 坂井建雄
tatsuo@juntendo.ac.jp |
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