論文名 |
MMSEの3単語再生課題への補助再生と再認再生の導入の試み―中等度の認知機能障害を呈するアルツハイマー病患者における床効果の検討― |
論文言語 |
J |
著者名 |
鈴木 千裕1), 本田 智子2), 佐藤 卓也3), 今村 徹1)4) |
所属 |
1)新潟医療福祉大学医療技術学部言語聴覚学科
2)下越病院リハビリテーション科
3)新潟リハビリテーション病院リハビリテーション部言語聴覚科
4)同 神経内科 |
発行 |
神経心理学:29(1),71─77,2013 |
受付 |
2012年6月21日 |
受理 |
2012年9月12日 |
要旨 |
【目的】中等度の認知機能障害を呈するアルツハイマー病(AD)患者における,MMSEの3単語遅延自由再生課題に補助再生課題と再認再生課題を加えた課題の床効果について検討する.【対象】MMSEとADASを施行し,MMSE得点が10点以上のAD患者447名.【方法】3単語再生課題で自由再生できた1単語に3点,補助再生で再生できた1単語に2点,再認再生で再生できた1単語に1点を与える9点満点の3-2-1法を用いて評価し,MMSE得点およびADASの10単語再生課題の成績との関係を検討した.【結果】3-2-1法得点が床効果を回避できているのは,MMSE得点が21以上,10単語再生課題の平均再生単語数が4.3以上の患者群であった.それよりも重度の患者では床効果が生じ,近時記憶障害の重症度評価に影響を与えると考えられた.【結論】MMSEの3単語再生課題に補助再生課題と再認再生課題を追加した3-2-1法は,中等度以上のAD患者に適応した場合,床効果を考慮しつつ近時記憶障害の重症度評価を行わなければならないと考えられる. |
Keywords |
3単語再生テスト, 床効果, 近時記憶障害, 重症度, アルツハイマー病 |
別刷請求先 |
〒950-3198 新潟市北区島見町1398番地 新潟医療福祉大学医療技術学部言語聴覚学科 今村 徹
imamura@nuhw.ac.jp |