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論文名 |
神経心理学に望むこと―リハビリテーションの立場から― |
論文言語 |
J |
著者名 |
江藤 文夫 |
所属 |
国立障害者リハビリテーションセンター |
発行 |
神経心理学:29(3),175─181,2013 |
受付 |
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受理 |
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要旨 |
障害に関する世界報告書(2011年6月)の記述によると,リハビリテーションは,長い間統一的な概念の枠組み(フレームワーク)を欠いてきた.歴史的には,この用語は障害に対する一連の対応を記述してきたもので,身体機能を改善するための介入からインクルージョン(包摂)を促進するために考案されたより包括的な手段まで含まれる.
神経心理学的機序の解明は,その障害を負った人への治療に関係づけることを目的に置いているはずである.そこで,わが国の医学的心理学に関するテキストにおいて治療や取り扱いについて記載した菅修の仕事について,個人的思いを含めて紹介した.
治療的ニヒリズムに支配された高次脳機能障害に対する医師の関心が再興し,神経心理学として隆盛を迎えた時期とほぼ同じ時期に,医療におけるリハビリテーションも著しい発展を遂げた.疾患に由来する障害の構造と発生機序に関する視点は,リハビリテーションにより拡大された.いきなり社会モデルでの対応を求めるものではないが,「医学モデルの向こうにあるものを求めて」研究開発を進めることが求められている.その視点で,神経心理学会の会員諸氏がリハビリテーションにも関心を向けて頂ければ幸いである. |
Keywords |
リハビリテーション, 医学的心理学, 障害 |
別刷請求先 |
〒164-0003 中野区東中野3-2-15 江藤文夫
etofum-dky@umin.org |
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