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論文名 認知症における人物誤認
論文言語 J
著者名 長濱 康弘
所属 滋賀県立成人病センター老年内科・神経内科
発行 神経心理学:29(4),278─288,2013
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要旨 認知症疾患における人物誤認症状の症候学的特性とその生物学的基盤を検討した.レビー小体型認知症ではCapgras症状,幻の同居人,重複記憶錯誤,単純人物誤認が近縁の誤認症状で,これらの症状は辺縁系―傍辺縁系の血流低下に関連しており,症状のベースに記憶と情動の障害があると思われた.アルツハイマー病(AD)では物盗られ妄想は初期に多く,人物誤認は中期以降に出現する例が多かった.ADの人物誤認は全般的認知機能低下との関連が深いが,一部症例では早期から出現することがあり,前頭葉機能障害の関与が疑われた.認知症における人物誤認の神経基盤として,辺縁系―傍辺縁系,および前頭葉の障害が想定される.
Keywords 誤認, 妄想性誤認症候群, 大脳辺縁系, 前頭葉, 認知症
別刷請求先 〒524-8524 滋賀県守山市守山5-4-30 滋賀県立成人病センター老年内科・神経内科 長濱康弘 ynaga@maia.eonet.ne.jp


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