[第30巻第2号目次へ] Japanese/English

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論文名	失行と行為・動作障害の検査
論文言語	J
著者名	中川　賀嗣
所属	北海道医療大学心理科学部
発行	神経心理学：30（2），116─124，2014
受付
受理
要旨	行為・動作に関する検査にあたって必要となる行為・動作・運動の捉え方，失語や失認等の他の高次脳機能障害の，検査への影響について触れた．その後，用語の混乱への対応策や症状記載上の留意点とともに，実際の検査の手順を示した．感覚情報の利用が，行為・動作の遂行に不可欠であること，その障害による行為・動作障害の場合には，感覚の障害と行為・動作の障害の2重記載が必要であり，かつその因果関係の記載が有用であることを指摘した．また失語や失認などの他の高次脳機能障害が，行為・動作に強く影響することを強調した．さらに各症状の鑑別には，障害が一側手に出現しているのか，両手に出現しているのか，視野ごとに出現しているのかの判定が有効であることを指摘した．体性感覚の障害が関与した行為・動作障害の場合には，視覚の遮蔽で，症状が悪化するかどうかも参考となることを示した．
Keywords	失行, 感覚障害, 運動障害, 高次脳機能障害
別刷請求先	〒002-8072　札幌市北区あいの里2条5丁目　北海道医療大学心理科学部　中川賀嗣 poverame@hoku-iryo-u.ac.jp