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論文名 半側空間無視と右半球症状の検査
論文言語 J
著者名 石合 純夫
所属 札幌医科大学医学部リハビリテーション医学講座
発行 神経心理学:30(2),125─134,2014
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要旨 右半球損傷後には,一側の空間または身体との関わり方の異常として,半側空間無視,病態失認,半側身体失認が起こる.半側空間無視とは,大脳半球病巣と反対側の刺激に対して,発見して報告したり,反応したり,その方向を向いたりすることが障害される病態であり,ほとんどが右半球損傷後の左無視である.頭部や視線を自由に動かしてよい条件で起こるため,幅広い日常生活場面で困難が生じる.半側空間無視の基本的検査法は,抹消試験,模写試験,線分二等分試験,描画試験であり,BIT行動性無視検査の通常検査に含まれている.これらをすべて実施し,また,行動場面を観察して,半側空間無視を見落とさないようにしたい.病態失認は,片麻痺の存在を無視または否認する急性期の症状であり,自ら訴えることはない.そのため,適切な質問で重症度を含めて評価する必要がある.半側身体失認と身体パラフレニアは,麻痺した(左)上下肢に対する異常な態度・行動であり,適切な評価法で見出される.
Keywords 半側空間無視, BIT行動性無視検査, 病態失認, (半側)身体失認, 身体パラフレニア
別刷請求先 〒060-8543 札幌市中央区南1条西16丁目 札幌医科大学医学部リハビリテーション医学講座 石合純夫


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