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論文名 |
全失語における偶発性発話 |
論文言語 |
J |
著者名 |
松田 実 |
所属 |
東北大学大学院医学系研究科高次機能障害学分野 |
発行 |
神経心理学:30(3),176─184,2014 |
受付 |
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受理 |
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要旨 |
Hughlings Jacksonは重度の失語でも認められる発話として,再帰性発話と偶発性発話を記載した.Jacksonが提唱し理論化した自動性意図性解離の原理によれば,重度失語では知的発話である命題的で意図的な発話が失われるが,感情言語である非命題的な自動的発話は保存される.後者の代表が再帰性発話や偶発性発話であり,Jacksonはこれを右半球による発話であると考えた.しかし,自動的あるいは非命題的と呼ばれる発話について最近の研究を通覧しても,筆者の経験した重度の失語の経過からも,自動言語が右半球起源であることの決定的証拠は乏しいと考えられた.全失語で認められる発話の起源については,残存左半球の機能も無視できず,さらには左右という水平性の視座だけでなく,垂直性の水準を考慮した視点も必要であることを論じた. |
Keywords |
自動性意図性解離, 偶発性発話, 自動言語, 非命題性発話, 右半球仮説 |
別刷請求先 |
〒980-8575 宮城県仙台市青葉区星陵町2-1 東北大学大学院医学系研究科高次機能障害学分野 松田 実
color-m@med.tohoku.ac.jp |
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