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論文名	アルツハイマー病患者の単語再生課題における有関連および無関連虚再生の検討：Frontal Assessment Battery（FAB）の成績との関係
論文言語	J
著者名	松川　悠1）4）, 内山　千里2）, 佐藤　卓也2）, 今村　徹1）3）
所属	1）新潟医療福祉大学医療技術学部言語聴覚学科 2）新潟リハビリテーション病院リハビリテーション部言語聴覚科 3）同　神経内科 4）現　将道会総合南東北病院言語療法室
発行	神経心理学：30（3），224─232，2014
受付	2013年10月18日
受理	2014年4月14日
要旨	目的：アルツハイマー病（Alzheimer's Disease；AD）患者における有関連および無関連虚再生と他の認知機能課題の成績との関係を検討する．対象：新潟リハビリテーション病院神経内科（もの忘れ外来）を初診し，ADと診断され，Alzheimer's Disease Assessment Scale（ADAS）日本語版およびFrontal Assessment Battery（FAB）を施行した183症例．方法：ADASの10単語再生課題で生じた虚再生語を記録し分類した．まず，target語のカテゴリーに属する語を意味関連虚再生語，それ以外のカテゴリーに属するがtarget語と同じ文字を含むものを形態関連虚再生語とし，両者を合わせて有関連虚再生語とした．それ以外の語を無関連虚再生語とした．有関連虚再生語を呈した症例（有関連虚再生群）と虚再生語を呈さなかった症例（虚再生なし群）との間，および無関連虚再生語を呈した症例（無関連虚再生群）と虚再生なし群との間で患者属性，疾患属性，および認知機能属性を分散分析で比較した．有関連および無関連虚再生語の両方を呈した症例は有関連虚再生群にも無関連虚再生群にも含めた．結果：有関連虚再生群，無関連虚再生群ともに，虚再生なし群よりもFABの類似性課題の成績が低下していた．また，先行研究と同様に，有関連虚再生群は虚再生なし群よりもADASの単語再認課題の成績が良好であったが，事後的に施行した共分散分析によって，有関連虚再生群と虚再生なし群における類似性課題の有意差は単語再認課題の有意差とは独立したものであることが示された．結論：FABの類似性課題の成績低下した患者でADASの単語再生課題における有関連および無関連虚再生が生じやすくなることが示唆される．その機序として，以下の2つの可能性が考えられる：（1）再生における検索のモニタリングプロセスの障害によって虚再生語が産生される，（2）再生場面で直前に産生した語が刺激となって生じた反応の抑制障害によって虚再生語が産生される．
Keywords	False memory, Alzheimer's Disease Assessment Scale（ADAS）, Frontal Assessment Battery（FAB）, 有関連虚再生, 無関連虚再生
別刷請求先	〒950-3198　新潟市北区島見町1398　新潟医療福祉大学医療技術学部言語聴覚学科　今村　徹 imamura@nuhw.ac.jp