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論文名 言語理解を可能にする左半球ネットワーク
論文言語 J
著者名 乾 敏郎
所属 京都大学大学院情報学研究科
発行 神経心理学:30(4),284─295,2014
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要旨 本稿では,まず乾(1998a)が提唱した言語獲得と理解に関するモデルのネットワーク構造に関して,最近のトラクトグラフィーの研究成果に基づき検証する.そしてこのモデルで仮定された領野間結合が,トラクトグラフィーによって裏付けられたことを述べる.次に,語彙の処理部位に関する知見を要約したのち,言語学習および言語の構文的理解を可能とする脳内ネットワークモデル(Dominey, Inui, & Hoen, 2009)の概要を紹介し,最近のいくつかの研究成果がこのモデルによって説明可能であることを示す.最後に,単文の意味理解が脳内のグローバルなネットワークにおける位相同期によって実現されるとする仮説,および左のBA9が複文の階層の切り替えを行っているとする仮説(乾,2010)を紹介し,これらの仮説を支持する研究データについて述べる.
Keywords 言語理解, トラクトグラフィー, 構文的理解, 位相同期, 階層の切り替え
別刷請求先 〒606-8501 京都市左京区吉田本町 京都大学大学院情報学研究科 乾 敏郎


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