[第31巻第1号目次へ] Japanese/English

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論文名	社会的認知機能の生理学的理解―サルを用いた研究から―
論文言語	J
著者名	磯田　昌岐
所属	関西医科大学医学部生理学第二講座
発行	神経心理学：31（1），17─25，2015
受付
受理
要旨	役割交替課題を行うサルの神経細胞活動解析の結果から，社会脳ネットワークを構成する前頭葉内側皮質には，自己の行為と他者の行為の情報処理に関し，背側・腹側領域間に機能的差異が存在することが示唆された．背側領域には他者の行為の情報を処理する細胞が多く，腹側領域には自己の行為の情報を処理する細胞が多いことから，他者の行為の情報は，主として背側領域の細胞によってモニター・処理され，その情報をもとに社会的コンテキストにふさわしい自己の行為が，主として腹側領域の細胞によって制御・出力されるという仮説が考えられる．今後の研究により，サルを用いた社会的認知機能の生理学的基盤の解明がさらに進むことが期待される．
Keywords	社会的認知機能, 行為, 自己, 他者, 前頭葉内側皮質
別刷請求先	〒573-1010　大阪府枚方市新町2-5-1　関西医科大学医学部生理学第二講座　磯田昌岐 isodam@hirakata.kmu.ac.jp