論文名 |
前頭側頭型認知症(Frontotemporal degeneration:FTD)の構成課題における障害の検討 |
論文言語 |
J |
著者名 |
小林 知世1), 剣持 龍介1), 佐藤 卓也2), 佐藤 厚2), 今村 徹1)3) |
所属 |
1)新潟医療福祉大学医療技術学部言語聴覚学科
2)新潟リハビリテーション病院リハビリテーション部言語聴覚科
3)同 神経内科 |
発行 |
神経心理学:31(1),47─55,2015 |
受付 |
2012年7月18日 |
受理 |
2014年6月5日 |
要旨 |
【目的】前頭側頭型認知症(Frontotemporal dementia:FTD)の構成課題における成績低下に関係する要因を検討する.【対象】Rey複雑図形(Rey-Osterrieth Complex Figure:ROCF)模写課題で14/36点以上であったFTD 9症例と,MMSE得点およびROCF模写課題の得点を一対一で一致させたアルツハイマー病(Alzheimer's disease:AD)9症例.【方法】ROCF模写における遂行機能を評価するために,図形の骨格要素の抽出と実現,模写順序の方略という2つの側面における評価項目を設定し,FTD群とAD群の成績を比較した.【結果】FTD群では,骨格要素の抽出と実現はAD群より有意に保たれていたが,ROCFを適切な順序で体系的に模写するという方略が有意に低下していた.【結論】FTDにおける構成課題の成績低下は,遂行機能のうちの,課題遂行における計画的・合理的な方略の採用という側面の障害によって生じている可能性がある. |
Keywords |
前頭側頭型認知症(Frontotemporal dementia:FTD), 構成課題, Rey複雑図形, 遂行機能障害, 方略 |
別刷請求先 |
〒950-3198 新潟市北区島見町1398番地 新潟医療福祉大学医療技術学部言語聴覚学科 今村 徹
imamura@nuhw.ac.jp |