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論文名 前頭葉損傷による神経心理学的症候
論文言語 J
著者名 船山 道隆
所属 足利赤十字病院精神神経科
発行 神経心理学:31(2),116─125,2015
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要旨 前頭前野による神経心理学的徴候を損傷例に対する臨床観察に基づいてまとめた.両側前頭前野ほぼ全体の損傷例からは,目標/計画の設定や目標の維持の困難さ,外部環境への極端な依存性と解放現象,常同行為,発散性思考が不可能である点が観察されたが,過去のひとつひとつの知識は比較的保存されていた.カテゴリー分類や区別が困難となりものごとを混同してしまう前頭前野損傷例からは,前頭前野の機能のひとつとしてカテゴリー分類や区別を行う機能が挙げられる可能性が示唆された.前頭葉眼窩部/腹内側部の損傷例は衝動制御が困難となりがちである.しかし彼らは,制御困難な事項に対して言語的には正しい知識や理解力を持っているため,情動による制御が利かない可能性が考えられた.前頭前野の機能は目標に向けて動的かつ戦略的な行動に導く点にあり,その目的のため,前頭前野以外に蓄えられた知識を活用したり,分類や区別を行ったり,情動による制御を利用したりしていると考えられた.
Keywords 前頭前野, goal-directed behavior, 解放現象, カテゴリー分類, 衝動制御
別刷請求先 〒326-0808 足利市本城3-2100 足利赤十字病院神経精神科 船山道隆 Fimndia@aol.com


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