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論文名 側頭葉損傷による神経心理学的症候
論文言語 J
著者名 大槻 美佳
所属 北海道大学大学院保健科学研究院
発行 神経心理学:31(2),126─135,2015
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要旨 側頭葉に特異性のある機能として,聴覚情報処理,意味処理,記憶の情報処理があり,その他,聴覚情報の意味付け(聴覚情報→意味の連合)がある.また,視覚情報の意味付け(後頭葉からの視覚情報→意味の連合)も側頭葉が一部関与する.聴覚情報処理は,環境音は右半球,言語音は左半球が分担している.特に言語音は,入力後,音響分析→音韻照合→語彙照合→意味認知という階層性を持って処理される.意味を担う場は,言語を含む,意味のネットワーク構造が推測されており,これは意味記憶とも称される.左側頭葉の損傷では,単語の理解障害と想起障害が生じ,病巣の部位・広がりによって,ウェルニッケ失語や超皮質性感覚失語が出現する.また,下側頭回の後下部の損傷では,まとまった形態情報に強く依存する文字(日本語では仮名より漢字)に影響が出る.側頭葉内側面は海馬を中心とした領域が,エピソード記憶に関与する.
Keywords 側頭葉, 聴覚的処理, 意味, 記憶
別刷請求先 〒060-0812 札幌市北区北12条西5丁目 北海道大学大学院保健科学研究院 大槻美佳 lasteroideb612@pop.med.hokudai.ac.jp


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