[第31巻第4号目次へ] Japanese/English

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論文名	音楽性幻聴
論文言語	J
著者名	二村　明徳, 四郎丸　あずさ, 石垣　征一郎, 加藤　大貴, 小野　賢二郎, 河村　満
所属	昭和大学内科学講座神経内科学部門
発行	神経心理学：31（4），246─253，2015
受付
受理
要旨	音楽性幻聴（Musical hallucinationまたはMusical hallucinosis）は音がしていないにも関わらず，音楽が聞こえる，特異な症候である．音楽のジャンルは幼少期に親しんだ童謡や唱歌が多く，その他には聖歌や讃美歌などの宗教的な音楽や，軍歌や国歌などの愛国的な音楽，歌謡曲や流行歌など様々な報告がある．音楽性幻聴は高齢者に多く，多くの場合聴覚障害がみられる．未だ確立された治療法はないが，補聴器の使用や抗てんかん薬，認知症改善薬，抗精神病薬などで改善の報告がある．超高齢社会となった日本にも潜在的に多く患者がいると考えられる．また，近年，認知症患者の行動理解や精神ケアへ関心が高まっている．認知機能低下によるCharles Bonnet症候群が生み出す幻覚は，患者の豊かな精神世界の理解につながるかもしれない．
Keywords	音楽性幻聴, Charles Bonnet症候群, てんかん, 認知症
別刷請求先	〒142-8555　東京都品川区旗の台1-5-8　昭和大学内科学講座神経内科学部門　二村明徳 eiju28af@med.showa-u.ac.jp