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論文名 認知症の神経心理学的解きほぐし
論文言語 J
著者名 福井 俊哉
所属 かわさき記念病院
発行 神経心理学:32(3),229─238,2016
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要旨 認知機能がどう変化した場合に認知症と診断できるのかがよくわからないとの意見を聞く.認知能力を正常と異常に二分して,異常な場合を認知症とするというtop-down的な考え方では,何をもって正常と異常に区分するかが不明確であるのでこの問題の解決にならない.認知症は認知機能の複合的障害であるとの基本的概念を踏まえ,神経心理学的観点から認知機能障害を見出し,複数の障害が日常生活機能を低下させている場合を認知症と診断するというbottom-up的手法のほうが実用的である.さらに,この方法は認知症の症状と脳の局在機能との関連性の理解にも有用である.本稿では認知症の各種症状を神経心理学的立場から解きほぐすことが認知症診断の助けになることを解説する.
Keywords 認知症, 神経心理学, アルツハイマー化, 機能局在, 鑑別診断
別刷請求先 〒216-0013 川崎市宮前区潮見台20-1 かわさき記念病院 福井俊哉 tfukui@kkh.ne.jp


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