|
Full Text of this Article
in Japanese PDF (977K)
|
論文名 |
物体方向失認:三次元的方向変化における物体方向認知の検討 |
論文言語 |
J |
著者名 |
野川 貴史1), 平林 一1), 小瀧 弘正2) |
所属 |
1)JA長野厚生連鹿教湯三才山リハビリテーションセンター鹿教湯病院心理療法科
2)市立奈良病院言語聴覚療法室 |
発行 |
神経心理学:32(4),347─360,2016 |
受付 |
2015年8月7日 |
受理 |
2016年3月17日 |
要旨 |
物体方向失認が三次元的方向変化に対してどのような障害を示すかは分かっていない.本研究では物体方向失認例に対し,様々な角度から撮影した急須を用いた検討を行った.症例は景観と方向のマッチング課題でも弁別課題でも正面,背面,上面,底面がほぼ保たれ,左右側面では低下し,斜め景観では障害が顕著であった.二次元画像面での線形変換による方向変化である正立倒立の弁別,鏡像の弁別,回転像の弁別については,いずれも障害されていた.本症例の方向認知の特徴として,内部表象に内在する方向は把握できるものの,左右や斜め,同じ景観の方向弁別を把握するのに必要な付加的計算,空間座標記述,再定義といったより高度で空間的な情報処理の段階が障害されていると考えられた.さらに景観の形態的類似度の高低も方向判断に影響を及ぼす要因と考えられた. |
Keywords |
物体方向失認, 三次元, 座標系, 固有軸, 内部表象 |
別刷請求先 |
〒386-0396 長野県上田市鹿教湯温泉1308 鹿教湯病院心理療法科 野川 貴史 nogataka@be.to |
|