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論文名 右半球損傷により著明な錯文法を呈した1例
論文言語 J
著者名 浦野 雅世1), 石榑 なつみ2), 谷 永穂子1), 中尾 真理3), 三村 將4)
所属 1)横浜市立脳卒中・神経脊椎センターリハビリテーション部
2)新戸塚病院リハビリテーション科
3)東北大学大学院医学系研究科肢体不自由学分野
4)慶應義塾大学医学部精神神経科学教室
発行 神経心理学:33(3),188─197,2017
受付 2016年5月13日
受理 2017年2月2日
要旨 右半球病変で錯文法を呈した矯正右手利きの症例を報告した.呼称障害はごく軽微でありながら,自由発話/説明発話の別を問わず助詞の誤用が著明であり,脱落は皆無であった.逸脱語順や統語構造の単純化は明らかでなかった.理解面では語義理解は良好に保持されながらも,平易な会話の理解からしばしば困難を呈した.側性化の異なる失文法症例では統語的側面と形態論的側面の障害が共起しているのに対し,本例は形態論的側面のみに障害を呈しており,側性化の異なる失文法とは発現機序が異なると考えられた.本例の錯文法の発現は異常側性化に起因するものとであると推察された.
Keywords 右半球病変, 錯文法, 異常側性化
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