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論文名 |
言語における「大脳内側面・底面(眼窩面)」の役割 |
論文言語 |
J |
著者名 |
大槻 美佳 |
所属 |
北海道大学大学院保健科学研究院 |
発行 |
神経心理学:33(4),229─237,2017 |
受付 |
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受理 |
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要旨 |
補足運動野は,従来の補足運動野(SMA proper)と,その前方部の前補足運動野(preSMA)に区分され,tractographyを用いた線維連絡,fMRIを用いた機能的役割,脳損傷患者における臨床症状など,様々な視点から検討されている.左preSMA/SMAproperはいずれも,言語機能との関連が示唆されているが,特にpreSMAは前頭前野と豊富な線維連絡を持つことが知られ,言語機能に関しても重要な役割が指摘されている.臨床症状としては,左前頭葉内側面損傷で,補足運動野失語,純粋失書などが出現する.補足運動野失語は,自発話の低下と,「良好な視覚性呼称と顕著な語列挙低下」というコントラストが中核症状である.右前頭葉内側面損傷では,感情プロソディ障害が報告されている.左頭頂葉内側面に関しては,言語理解との関連が示唆されているが,詳細は明らかではない.前頭葉眼窩面は,言語機能自体には関連していないが,口述内容の方向性など,言語の運用に関係していることが示唆されている. |
Keywords |
補足運動野, 前補足運動野, 言語機能, 前頭葉眼窩面 |
別刷請求先 |
〒060-0812 札幌市北区北12条西5丁目 北海道大学大学院保健科学研究院 大槻美佳
lasteroideb612@pop.med.hokudai.ac.jp |
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