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論文名 イメージを生む脳のはたらき―機能局在論を超えて
論文言語 J
著者名 長谷川 功
所属 新潟大学医学部生理学教室
発行 神経心理学:34(3),184─189,2018
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要旨 現代の神経科学は,『脳の特定の解剖学的区分に限局する細胞の性質がその脳区分に宿る機能を表す』とする機能局在論のパラダイムのもと,目覚ましい発展を遂げてきた.しかし,複雑系としての脳の動作原理を説明するのに,機能局在論に基づく細胞活動記録や脳機能マッピングのアプローチだけでは限界があることは否めない.筆者は,視覚認知の基盤をなす大脳の巨視的ネットワークにおける信号の流れや分散的・同期的な神経表現の解明を目指している.本稿では,脳の表面に柔軟な電極を張り巡らせるメッシュ型皮質脳波(ECoG)の技術を活かして,皮質に分散した視覚カテゴリー認知に関わる微細機能構築の非線形的・動的な性質を明らかにすることにより,機能局在論と全体論の発展的統合を目指そうとする最近の試みについて紹介する.
Keywords 皮質脳波, マカクザル, 視覚記憶, カテゴリー
別刷請求先 〒951-8510 新潟市中央区旭町通1-757 新潟大学医学部生理学教室 長谷川功


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