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論文名 自閉スペクトラム症を通じて見る情動の神経科学的研究
論文言語 J
著者名 義村 さや香1), 十一 元三2)3)
所属 1)京都大学大学院医学研究科人間健康科学系発達障害支援医学講座
2)同 医学研究科人間健康科学系臨床認知神経科学分野
3)特定非営利活動法人神経発達症研究推進機構
発行 神経心理学:34(4),248─257,2018
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要旨 自閉スペクトラム症の発見後早期から,情動障害は主要な症状であることが報告されてきた.情動障害の中でも,顔情報処理は自閉スペクトラム症において最もよく研究されてきたテーマである.本稿では,その情動認知障害の神経基盤について検討し,続いて表情認知をはじめとする顔情報処理に関する文献を展望した.剖検研究で異常が報告されている領域の中で,扁桃体は顔情報処理についても異常が多数報告されている部位でもあった.さらに,扁桃体は情動価に応じて顔処理の早い段階で視覚処理を調整することも示唆されており,扁桃体の異常は,動きに関する視覚処理やミラーニューロンシステムなど,その他のASDの顔情報処理の問題にも影響している可能性がある.
Keywords 自閉スペクトラム症, 感情, 情動, 扁桃体, 顔処理
別刷請求先 〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町53 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系発達障害支援医学講座 義村さや香


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