論文名 |
生活上の出来事全体を忘れるアルツハイマー病患者の検討 |
論文言語 |
J |
著者名 |
鈴木 夏美1), 佐藤 卓也2), 今村 徹1)3) |
所属 |
1)新潟医療福祉大学医療技術学部言語聴覚学科
2)新潟リハビリテーション病院リハビリテーション部言語聴覚科
3)同 神経内科 |
発行 |
神経心理学:35(1),36─43,2019 |
受付 |
2018年1月10日 |
受理 |
2019年1月11日 |
要旨 |
アルツハイマー病患者における生活上の出来事全体の記憶の障害(出来事忘れ)の有無に寄与する要因を連続215症例で検討した.出来事忘れなし群とあり群間の患者属性,疾患属性,認知機能属性を分散分析およびMMSE得点を共変量とするlogistic重回帰分析で検討した.近時記憶課題,見当識課題,日常記憶課題の成績で効果量の大きな群間差が得られ,重回帰分析では見当識課題と日常記憶課題の成績に有意なオッズ比が得られた.出来事忘れの有無は,日常記憶障害の重症度を適切に反映し,日常記憶障害を予測する一助になることが示された.日常記憶にはテストで測定する記憶機能以外にも多様な基盤があり,そのうちの1つとして見当識が示唆された. |
Keywords |
日常記憶, 出来事忘れ, 認知症, アルツハイマー病, 見当識 |
別刷請求先 |
〒950-3198 新潟市北区島見町1398 新潟医療福祉大学大学院保健学専攻言語聴覚学分野 今村 徹
imamura@nuhw.ac.jp |