学会誌

書誌情報

Full Text of this Article
in Japanese PDF (594K)
論文名 触覚性失認なき触覚性形態失認
論文言語 J
著者名 山田 麻和
所属 社会医療法人春回会長崎北病院総合リハビリテーション部作業療法士
発行 神経心理学:35(3),134─141,2019
受付
受理
要旨 右大脳半球の脳梗塞後に触覚性失認を伴わずに形態失認を示した自験症例を紹介した.要素的体性感覚は保たれていたが,左手では二次元および三次元の形態のみ認識ができなかった.しかし,日常物品の触覚認知は十分に保たれていた.頭部MRIでは,右中心前回,中心後回と右前頭皮質に虚血性病変があった.これまでに知覚型触覚性失認の報告は5例ある.触覚性失認に加えて,このうち3例は形態失認および素材失認を示し,1例は素材失認のみ,もう1例は形態失認と軽度の素材失認とを示した.我々の症例は,触覚性失認のない形態失認のみを呈した最初の事例であり,触覚認知プロセスと神経解剖学についてのさらなる洞察に繋がる可能性がある.
Keywords 知覚型触覚性失認, 形態失認, 素材失認, 脳梗塞
別刷請求先 〒851-2103 長崎県西彼杵郡時津町元村郷800 社会医療法人春回会長崎北病院総合リハビリテーション部作業療法士 山田麻和 kita_m_yamada@shunkaikai.jp


Copyright © 2002 日本神経心理学会 All rights reserved
http://www.neuropsychology.gr.jp/