[第35巻第3号目次へ] Japanese/English

Full Text of this Article in Japanese PDF (1262K)

論文名	音韻性錯語と喚語困難を前景とする失語症状を呈したDementia with Lewy bodies（DLB）の1例：logopenic variant of primary progressive aphasia（LPA）の失語症状との比較検討
論文言語	J
著者名	加藤　梓1）2）3）, 今村　徹1）2）
所属	1）新潟リハビリテーション病院神経内科 2）新潟医療福祉大学医療技術学部言語聴覚学科 3）現　在宅リハビリ看護ステーションつばさ南仙台
発行	神経心理学：35（3），161─170，2019
受付	2018年4月25日
受理	2019年7月8日
要旨	症例は79歳，右利き男性．物忘れ，幻視，ことばの出にくさを主訴に初診した．Parkinson症状は認められなかった．注意障害と保続，近時記憶障害，構成障害を認めた．言語面では発話は流暢であった．発語失行，失文法はみられなかった．音韻性錯語と喚語困難が明らかであった．言語理解は語，統語レベルとも良好であった．文の復唱では言語性短期記憶の低下による障害を認めた．文の聴覚理解では文の長さに影響され，3文節文以上から困難であった．Dopamine transporter（DAT）SPECTで線条体での集積が軽度低下，脳血流SPECTで左側頭・頭頂葉に顕著な集積低下がみられた．本症例の臨床像はprobable dementia with Lewy bodies（DLB）に一致していたが，言語症状はlogopenic variant of primary progressive aphasia（LPA）の臨床像と一致していた．
Keywords	レビー小体型認知症, 原発性進行性失語, ロゴペニック型原発性進行性失語（LPA）, 音韻性錯語, 復唱
別刷請求先	〒950-3198　新潟市北区島見町1398番地　新潟医療福祉大学大学院保健学専攻言語聴覚学分野　今村　徹 imamura@nuhw.ac.jp