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論文名 精神症状と内受容感覚
論文言語 J
著者名 是木 明宏
所属 国立病院機構下総精神医療センター
発行 神経心理学:35(4),187─196,2019
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要旨 内受容感覚は,心拍や呼吸といった主に身体内部の生理的な情報の感覚を指し,これはホメオスタシスに関与するとして元々提唱された.しかし近年はそれを超えて,感情や意思決定,身体感覚,運動といった様々な脳機能に影響を与えていることがわかってきた.さらに様々な精神疾患で内受容感覚の異常が示され,今まで説明が難しかった病態に新たな見方を与えた.そのため内受容感覚は新たな病状評価および治療のターゲットとなりうる.しかし,現在のところ標準的な内受容感覚の評価法は未だ確立しておらず,また内受容感覚の疾患特異的な異常まで十分に示せた研究はなく,今後の発展が必要である.また内受容感覚の改善に標準を合わせた治療法の開発も待たれる.
Keywords 内受容感覚, 島皮質, ホメオスタシス, 圧受容体, 感情
別刷請求先 〒266-0007 千葉市緑区辺田町578 国立病院機構下総精神医療センター 是木明宏 koreki.akihiro.th@mail.hosp.go.jp


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