論文名 |
局所脳損傷と変性疾患の失構音(発語失行) |
論文言語 |
J |
著者名 |
高倉 祐樹1), 大槻 美佳2), 中川 賀嗣3) |
所属 |
1)北海道大学大学院保健科学研究院高次脳機能創発分野
2)同 保健科学研究院
3)北海道医療大学リハビリテーション科学部言語聴覚療法学科 |
発行 |
神経心理学:36(2),61─68,2020 |
受付 |
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受理 |
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要旨 |
脳血管障害(局所脳損傷)と変性疾患による失構音に対して,同一の評価基準で発話症状の分析を行った既報告の結果に基づき,両者の「何が同じで何が違うのか」を検討した.共通点として,前景に立つ発話症状と病巣の大まかな対応関係が成立していることが示唆された.相違点として,変性疾患による失構音では,1)「音の途切れ」に比して「構音の歪み」と「音の引き延ばし」が前景に立ち,2)不自然な「息継ぎ」が生じるという,特有の臨床像を呈することが示唆された.その機序として,変性疾患では,左中心前回の局所損傷のみでは説明しきれない,呼吸・発声レベルの調整機能を含めた発話を支える神経ネットワークの障害が生じている可能性が推測された. |
Keywords |
失構音, 発語失行, 原発性進行性発語失行, 脳血管障害, 神経変性疾患 |
別刷請求先 |
〒060-0812 北海道札幌市北区北12条西5丁目 北海道大学大学院保健科学研究院高次脳機能創発分野 高倉祐樹
takakura@hs.hokudai.ac.jp |