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論文名 左側頭葉型アルツハイマー病の症候学的特徴―意味性認知症との相違点と類似点―
論文言語 J
著者名 小林 良太1), 川勝 忍2), 林 博史1), 大谷 浩一1)
所属 1)山形大学医学部精神医学講座
2)福島医科大学会津医療センター精神医学講座
発行 神経心理学:36(3),138─147,2020
受付 2020年1月6日
受理 2020年8月17日
要旨 意味性認知症(SD)様の言語症状を呈するアルツハイマー病(AD),すなわち左側頭葉型ADは,特に高齢発症例においてSDと鑑別が困難なことが多い.本検討では,アミロイドイメージングでアミロイド陽性を確認した左側頭葉型ADの症候学的特徴を明らかにする.我々の検討では,左側頭葉型ADはSDと鑑別が必要な言語症状に加え,SDでは初期には比較的保たれる身体部位や色に関する聴覚的理解も障害されていた.また,SDで認められる様な常同性や脱抑制などの行動異常を呈しうることが示唆された.近年,ADにTDP-43病理が合併すると認知機能や萎縮に影響を及ぼすことがわかってきている.この合併の有無やその程度が,行動障害にも影響を及ぼす可能性についても今後明らかにしていくことが必要である.
Keywords アミロイドイメージング, 語義失語, 左側頭型アルツハイマー病, 意味性認知症
別刷請求先 〒990-9598 山形県山形市飯田西2-2-2 山形大学医学部精神科医局 小林良太 ryo.kobayashi@med.id.yamagata-u.ac.jp


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