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論文名 虚血性大脳白質病変と認知機能障害
論文言語 J
著者名 山内 浩
所属 滋賀県立成人病センター研究所画像研究部門
発行 神経心理学:18(1),21─26,2002
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要旨  虚血性白質病変はMRI T2強調画像により高信号域として鋭敏に検出される.白質高信号病変の広がりは,認知機能障害,特に前頭葉機能低下の指標となる可能性はあるが,認知機能障害と直接関連しているかは明らかではない.白質高信号病変を有する患者において,脳梁萎縮は大脳領域間のネットワークの障害を引き起こす重度の白質障害の存在を示し,全般的な知的機能低下と関連する可能性がある.神経症状を呈しMRIを撮像した患者のうちで,臨床的にラクナ梗塞あるいは異常なしと診断された患者62名(年齢68±8歳)を対象とし,白質高信号病変の広がりをスコア化し,脳梁矢状断面積を測定した.認知機能検査としてミニメンタルテストと語想起テストを施行した.多変量解析の結果,脳梁面積はミニメンタルテストの成績と,白質病変スコアは語想起テストの成績とそれぞれ独立して,有意に相関していた.白質高信号病変を有する患者において,脳梁萎縮は全般的な知的機能低下と関連し,白質病変の広がりそれ自身は前頭葉機能低下と関連している.
Keywords 白質, 脳梁, 認知機能, MRI
別刷請求先 〒524-8524 滋賀県守山市守山5-4-30 滋賀県立成人病センター研究所 画像研究部門 山内 浩


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